「うちの犬、不安が強いのって私のせいなのかな……」

そんなふうに自分を責めてしまっている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

愛犬が留守番中にずっと吠えたり、少しでも離れると後追いしてきたりする姿を見ると、「もしかして自分の接し方が悪かったのかも」と心配になりますよね。

この記事では、犬の不安が強くなる原因を環境・経験・体調の観点から整理し、今日からできる具体的な対策をお伝えしていきます。

また、飼い主自身の不安が犬に与える影響についても触れていくので、ぜひ最後まで読んでみてください!

犬の不安が強いのはなぜ?まず知っておきたい基本的な考え方

犬の不安が強いとき、飼い主さんが一番気になるのは「なぜうちの子だけこんなに不安がるの?」という点ではないでしょうか。

ここでは、まず知っておきたい犬の不安に関する基本的な考え方をお伝えしていきます。

犬の「不安が強い状態」とはどんな状態か

犬の「不安が強い状態」とは、周囲の環境や状況に対して過度に緊張し、リラックスできない心の状態のことです。

たとえば、飼い主が部屋を出ただけで吠え続けたり、来客があると震えて隠れたりするのは、不安が強く現れているサイン。

また、いつもと違う音や匂いに敏感に反応し、落ち着きなくウロウロする様子も見られます。

このような状態が続くと、犬自身もストレスを感じ続けることになり、心身の健康に影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。

性格・甘え・わがままと誤解されやすい理由

犬の不安が強い様子は、「単なる甘えたがり」や「わがままな性格」と誤解されやすいのが現状です。

なぜなら、不安から吠えたり飼い主に執着したりする行動が、一見すると「構ってほしいだけ」のように見えるから。

しかし実際には、犬は本能的に不安を感じていて、その感情をうまくコントロールできずにいるケースがほとんどなんです。

したがって、「性格だから仕方ない」と諦めるのではなく、不安のサインとして受け止めてあげることが大切になってきます。

不安は「問題行動」ではなく心のサインである

犬の不安から来る行動は、決して「問題行動」として叱るべきものではありません。

むしろ、「今、私は不安で苦しいです」という心のサインだと捉える必要があります。

たとえば、留守番中に物を壊してしまうのも、飼い主への反抗ではなく不安を紛らわせようとした結果です。

このように考えると、叱ることで不安をさらに増やしてしまう可能性があることに気づけますよね。

まずは犬の気持ちに寄り添い、不安を和らげてあげる方向でアプローチしていくことをおすすめします!

もしかして分離不安?犬に見られる主な症状とチェックポイント

ここからは、犬の不安が強い状態の代表例として「分離不安」に注目していきます。

分離不安とは、飼い主と離れることに極度の不安を感じる状態のこと。

具体的にどんな症状が現れるのか、またどこまでが様子見でいい範囲なのかをお伝えしていきます。

行動に現れるサイン(吠える・破壊・後追いなど)

分離不安を抱えている犬には、まず行動面でわかりやすいサインが現れます。

代表的なのが、飼い主が出かけようとすると激しく吠えたり、ドアを引っ掻いたりする行動です。

また、留守番中に家具や壁を破壊してしまうケースも珍しくありません。

さらに、家の中でも常に飼い主の後をついて回り、トイレやお風呂にまでついてくるというのも典型的なサイン。

このような行動が頻繁に見られる場合は、単なる甘えではなく分離不安の可能性を疑ってみることが大切です。

体に現れるサイン(震え・下痢・食欲不振など)

不安の強さは、行動だけでなく体の症状としても現れることがあります。

たとえば、飼い主が出かける準備を始めただけで体が震え出したり、よだれを垂らしたりするのは不安のサインです。

また、ストレスによって下痢や嘔吐を繰り返すケースも少なくありません。

食欲不振や、逆に過食気味になるといった変化が見られることもあります。

このように、犬は言葉で不安を伝えられない分、体の反応として表現していることを覚えておいてください。

どこからが「様子見」では済まない状態なのか

ここまで読んで「うちの子にも当てはまる症状があるけれど、病院に行くべきレベルなのかな?」と迷う方も多いはずです。

結論から言うと、犬自身の生活の質が著しく低下していたり、飼い主の日常生活に支障が出ていたりする場合は専門家への相談が必要になります。

具体的には、留守番中に自傷行為(足を舐め続けるなど)が見られる、数時間の留守番でパニック状態になる、体重が急激に減るといったケースです。

一方で、出かける際に少し寂しそうにする程度であれば、まだ様子を見ても大丈夫でしょう。

迷ったときは、「犬が日常を楽しめているか」を基準に判断してみることをおすすめします!

犬の不安が強くなる主な原因|環境・経験・体調の観点から

犬の不安が強くなる背景には、さまざまな原因が複雑に絡み合っています。

ここでは、環境・経験・体調という3つの観点から、主な原因を整理してお伝えしていきます。

子犬期・成犬・シニアで異なる不安の原因

犬の不安の原因は、年齢によっても大きく異なってきます。

子犬期の場合、社会化不足が大きな要因です。

生後3〜14週の間に多様な人や犬、環境に触れる機会が少ないと、新しいものへの恐怖心や不安が強くなりやすいんです。

一方、成犬期では過去のトラウマや生活環境の変化が影響することが多くなります。

そして、シニア期になると認知機能の低下によって不安が増すケースも。

視力や聴力が衰えることで周囲の状況が把握しづらくなり、それが不安につながることもあるため、年齢に応じた対応が必要になってきます。

引っ越し・生活リズムの変化が与える影響

犬は環境の変化に敏感な生き物です。

したがって、引っ越しや家族構成の変化、飼い主の勤務時間の変更などは、犬にとって大きなストレス源になります。

たとえば、引っ越し後は慣れない匂いや音に囲まれ、自分の居場所がわからず不安になることも。

また、飼い主が転職して留守番時間が急に長くなった場合も、急激な変化に適応できず不安が強まります。

このような変化があったときは、いつも以上に犬の様子を観察し、安心できる環境を整えてあげることが重要です。

運動不足・刺激不足が不安を増やす理由

意外に思われるかもしれませんが、運動不足や刺激不足も犬の不安を増やす要因になります。

なぜなら、適度な運動や精神的な刺激がないと、犬はエネルギーを発散できずストレスを溜め込んでしまうから。

特に活発な犬種の場合、散歩や遊びが不足すると、そのエネルギーが不安や問題行動として現れやすくなります。

また、日常生活が単調すぎると精神的な刺激が足りず、些細なことに敏感に反応するようになることも。

したがって、毎日の散歩や遊びの時間を確保し、犬が心身ともに満足できる生活を送れるよう工夫してみることをおすすめします。

病気や加齢が関係しているケースもある

犬の不安が急に強くなった場合、病気や加齢が原因になっていることもあります。

たとえば、甲状腺機能低下症やホルモンバランスの乱れは、不安や落ち着きのなさを引き起こすことがあるんです。

また、シニア犬では認知症の初期症状として不安が増すケースも珍しくありません。

さらに、慢性的な痛みを抱えている場合、その不快感から不安が強まることもあります。

もし愛犬の行動に急な変化が見られたら、まずは動物病院で健康チェックを受けてみることが大切です!

今日からできる!犬の不安を和らげる具体的な対策ステップ

ここからは、実際に今日から取り組める具体的な対策をお伝えしていきます。

無理なく段階的に進めることで、愛犬の不安を少しずつ和らげていくことができます。

不安を悪化させないためにまず見直すこと

まず、不安を悪化させている要因がないか、日常生活を見直してみることが大切です。

たとえば、出かける前に「行ってくるね、いい子にしててね」と大げさに声をかけていませんか?

実はこうした行動が、かえって犬に「今から特別なこと(留守番)が起こる」と意識させ、不安を増幅させてしまうんです。

また、帰宅時に「ただいま!寂しかったね!」と大興奮で迎えるのも、留守番を特別なイベント化してしまう原因になります。

したがって、出入りの際はできるだけ淡々と、普段通りの態度で接することを心がけてみてください。

さらに、犬が安心できる専用スペース(クレートやベッド)を用意し、そこを「自分だけの安全地帯」として認識させることも効果的です。

留守番・ひとり時間に慣れさせる段階的な方法

留守番への不安を減らすには、段階的に慣れさせていくことが重要になります。

いきなり長時間の留守番をさせるのではなく、まずは数秒から始めてみてください。

具体的には、犬がリラックスしているときに別の部屋へ行き、5秒ほどで戻ってくるところからスタート。

慣れてきたら10秒、30秒、1分と少しずつ時間を延ばしていきます。

この際、戻ったときに犬が落ち着いていたら軽く褒め、興奮していたらあえて無視することで「ひとりの時間は普通のこと」だと学習させていくんです。

また、外出前にはおもちゃやおやつを詰めたコングなどを与え、「ひとりの時間=楽しい時間」と結びつけることも効果的になります。

日常生活でできる安心感の作り方

犬に安心感を与えるには、日常生活の中で信頼関係を築くことが何より大切です。

まず、毎日のルーティンをできるだけ一定に保つことをおすすめします。

食事や散歩の時間を決め、規則正しい生活を送ることで、犬は「次に何が起こるか」を予測しやすくなり、不安が減少するんです。

また、散歩や遊びの時間をしっかり確保し、犬が心身ともに満足できる環境を整えることも重要。

さらに、犬が不安そうにしているときは、無理に構うのではなく、そばで静かに寄り添う程度にとどめてください。

過度に心配すると、かえって犬の不安を強化してしまうことがあるため、飼い主自身が落ち着いた態度を保つことが安心感につながります。

やってはいけないNG対応(逆効果になる行動)

ここでは、よかれと思ってやりがちだけれど、実は逆効果になる行動をご紹介していきます。

まず、不安で吠えている犬を叱るのはNGです。

叱られることでさらに不安が増し、問題行動が悪化することがあります。

また、不安がっている犬を過度に慰めたり抱き上げたりするのも避けたほうがいいでしょう。

なぜなら、「不安がる=構ってもらえる」と学習してしまい、不安行動を強化してしまう可能性があるから。

さらに、急に長時間の留守番をさせたり、無理やりクレートに閉じ込めたりするのも厳禁です。

犬のペースに合わせて段階的に進めることで、確実に不安を減らしていくことができます!

実は重要|飼い主の「不安の強さ」が犬に与える影響とは

ここまで犬側の不安について見てきましたが、実は飼い主自身の不安も大きな影響を与えています。

多くの飼い主さんが見落としがちなこの点について、詳しくお伝えしていきます。

飼い主の不安は本当に犬に伝わるのか

結論から言うと、飼い主の不安は確実に犬に伝わります。

犬は人間の表情や声のトーン、体の動きなどから感情を敏感に読み取る能力を持っているからです。

たとえば、「留守番させて大丈夫かな」と不安そうに出かけると、犬もその雰囲気を察知して不安になります。

また、飼い主が常にピリピリしていたり、ストレスを抱えていたりすると、犬もリラックスできずに緊張状態が続くんです。

したがって、犬の不安を減らすには、まず飼い主自身が落ち着いた状態でいることが不可欠になってきます。

飼い主が無意識にやってしまいがちな行動

飼い主が無意識のうちに犬の不安を増幅させている行動は意外と多いものです。

たとえば、犬が少しでも不安そうにすると、すぐに「大丈夫?どうしたの?」と過剰に反応してしまうケース。

これは犬に「やっぱり何か心配なことがあるんだ」というメッセージを送ってしまいます。

また、留守番前に「ごめんね、寂しいよね」と何度も謝るのも、犬に留守番がネガティブなものだと印象づけてしまうんです。

さらに、帰宅後に「いい子だった?寂しかった?」と大騒ぎするのも、留守番を特別なイベントとして認識させる原因に。

このような行動を控え、できるだけ普段通りの態度を保つことで、犬は「留守番は日常の一部」だと理解しやすくなります。

犬のために、飼い主ができる心の整え方

犬の不安を和らげるために、飼い主自身が心を整えることも大切なアプローチです。

まず、「完璧な飼い主でなければならない」というプレッシャーを手放してみてください。

犬は飼い主の完璧さではなく、一緒にいる時間の質を大切にしています。

また、自分自身がストレスを抱えているときは、散歩や深呼吸などでリフレッシュする時間を意識的に作ることも重要です。

さらに、「犬が不安なのは自分のせいだ」と自分を責めすぎないことも大切になります。

不安には複数の要因が絡んでいるため、自分だけを責めるのではなく、一緒に解決していく姿勢を持つことで、飼い主も犬も楽になれますよ!

改善しない場合はどうする?受診・相談の目安と頼れる専門家

ここまで紹介した対策を試してみても改善が見られない場合は、専門家の力を借りることを検討してみてください。

ひとりで悩まず、適切なサポートを受けることが解決への近道になります。

動物病院を受診すべきサイン

動物病院を受診する目安として、まず身体的な症状が現れている場合は早めの受診が必要です。

具体的には、下痢や嘔吐が続く、食欲が極端に落ちる、自傷行為が見られるといったケースです。

また、不安行動が急激に悪化した場合も、病気が隠れている可能性があるため獣医師に相談してみてください。

さらに、飼い主が対策を試してみても数週間~1ヶ月経っても改善が見られないときも、専門的な診断を受けるタイミングと言えます。

動物病院では、必要に応じて抗不安薬やサプリメントの処方、行動診療科への紹介なども行ってもらえるため、まずは相談してみることをおすすめします。

トレーナー・行動診療の役割と選び方

動物病院以外にも、ドッグトレーナーや行動診療の専門家という選択肢があります。

ドッグトレーナーは、しつけやトレーニングを通じて犬の行動を改善していくプロフェッショナルです。

一方、行動診療は獣医学的な視点から犬の行動問題にアプローチする専門分野になります。

トレーナーを選ぶ際は、ポジティブトレーニング(褒めて伸ばす方法)を採用しているか、分離不安への対応実績があるかを確認してみてください。

また、行動診療を受ける場合は、まず動物病院で紹介してもらうか、獣医行動診療科認定医を探すことをおすすめします。

どちらを選ぶにしても、愛犬の状態や飼い主の希望に合った専門家を見つけることが、改善への第一歩です。

「ひとりで抱え込まない」ことが大切な理由

犬の不安問題で悩んでいる飼い主さんの多くが、「自分だけで何とかしなければ」と抱え込んでしまいがちです。

しかし、ひとりで悩み続けることは、飼い主自身のストレスを増やし、それが犬にも伝わってしまいます。

専門家に相談することは、決して「飼い主として失格」ということではありません。

むしろ、愛犬のために最善の方法を探している証拠です。

また、同じような悩みを持つ飼い主さんとの情報交換や、家族や友人への相談も心の支えになります。

ひとりで抱え込まず、周囲のサポートを活用しながら、愛犬と一緒に不安を乗り越えていくことが何より大切です!

まとめ

犬の不安が強いのは、決して飼い主だけのせいではありません。

環境の変化や過去の経験、体調、さらには年齢など、さまざまな要因が複雑に絡み合って現れるものです。

大切なのは、犬の不安を「問題行動」として叱るのではなく、「心のサイン」として受け止めてあげること。

そして、段階的に留守番に慣れさせる、日常のルーティンを整える、飼い主自身が落ち着いた態度を保つといった対策を、無理のない範囲で続けていくことが改善への道になります。

もし、これらの対策を試してみても改善が見られない場合は、ひとりで抱え込まずに動物病院やトレーナーなどの専門家に相談してみてください。

愛犬との毎日がより穏やかで幸せなものになるよう、焦らず一歩ずつ進んでいきましょう!