「犬を誰かに預けるなんて、かわいそうなことをしているのかもしれない……」
そんな不安を抱えながら、預け先を探している飼い主の方も多いのではないでしょうか。
仕事や旅行、急な用事などで愛犬と離れる時間は、どうしても発生するものです。しかし、罪悪感が拭えず、預けることをためらってしまう方も少なくありません。
この記事では、犬を誰かに預けることに罪悪感を持たなくていい理由や、犬の気持ち、そして預ける際に飼い主ができる工夫について取り上げていきます。
さらに、預け先ごとの特徴や帰宅後のケア方法についても触れていくので、「安心して預けられるようになりたい」という方はぜひ最後まで読んでみてください!
犬を誰かに預けることに罪悪感を持たなくていい理由
まず結論からお伝えすると、犬を誰かに預けること自体は決して悪いことではありません。ここでは、罪悪感を持たなくていい理由を、4つの視点から取り上げていきます。
預けることは「愛情がない」という意味ではない
犬を誰かに預けたからといって、それは愛情不足を意味するわけではありません。
なぜなら、預けるかどうかの判断は、あくまで状況に応じた選択にすぎないからです。
例えば、仕事でどうしても外出しなければならない日に無理に連れて行こうとすれば、かえって犬に負担をかけてしまうこともあります。信頼できる相手に預けるという選択も、愛犬のことを考えた結果の一つだといえるでしょう。
このように、預けることと愛情の有無は、まったく別の話です。
飼い主が休むことも犬との暮らしを長く続けるために大切
飼い主自身がしっかり休むことも、犬との暮らしを長く続けるうえで大切な要素です。
無理を重ねて疲れがたまると、心や体の余裕がなくなり、愛犬との関わり方にも影響が出かねません。
旅行や外せない用事のときに思い切って預ける選択をすることで、リフレッシュした状態で愛犬と向き合えるようになります。結果的に、それが良好な関係を保つことにもつながっていくでしょう。
飼い主の心身の健康は、愛犬との暮らしを支える大切な土台です。
一緒に連れて行くことが必ずしも犬にとって最善とは限らない
「預けるより一緒に連れて行くほうが犬のためになるはず」と考える方もいるかもしれません。
しかし、慣れない場所への移動や長時間の外出は、大きなストレスになることもあります。
人混みや騒がしい環境、初めての交通手段などは、犬にとって決して心地よいものではありません。場合によっては、住み慣れた環境やペットホテルなど落ち着ける場所で過ごすほうが快適なケースもあるでしょう。
一緒に連れて行くことだけが、必ずしも最善の選択とは限りません。
必要なときに預けられる経験は将来への備えにもなる
普段から預けられる経験を積んでおくことは、将来的な備えとしても役立ちます。
なぜなら、飼い主が急な入院や災害などやむを得ない事情で犬と離れる場面は、誰にでも起こり得るからです。
そうした場合に預け先や預けること自体に慣れていれば、犬にかかる負担も少なく済みます。「いつか」のために、少しずつ経験を重ねておくことも大切な備えの一つです。
犬は預けられると「捨てられた」「寂しい」と感じるの?
犬を預けることに罪悪感を抱く方の多くは、「愛犬は寂しい思いをしているのでは」と心配しているのではないでしょうか。ここでは、預けられたときの犬の気持ちについて取り上げていきます。
飼い主と離れることで不安や寂しさを感じる犬はいる
結論からいうと、飼い主と離れることに不安を感じる犬は少なくありません。
犬は群れで生活してきた動物のため、信頼している相手と離れることに敏感な性質を持っているからです。
例えば、預け先で落ち着きなく歩き回ったり、鳴き続けたりする様子が見られることもあります。とはいえ、これは自然な反応であり、過度に心配しすぎる必要はありません。
数日預けただけで飼い主を忘れるわけではない
数日間預けたくらいで、犬が飼い主のことを忘れてしまうことはまずありません。
犬は嗅覚や聴覚を通じて、飼い主の存在を記憶に強く刻んでいるといわれています。
そのため、久しぶりに再会したときも、多くの犬は喜んで駆け寄ってくるものです。短期間の預かりで愛情や記憶が薄れてしまう心配は、しすぎなくても大丈夫でしょう。
「捨てられた」と人間と同じように考えているとは限らない
犬が「捨てられた」と、人間と同じ形で考えているとは限りません。
というのも、犬は人間のように未来を見通したり、抽象的な感情を言語化したりする力を持たないと考えられているからです。
そのため預けられている間の犬は、「今、飼い主がそばにいない」という状況を感じているだけともいえます。飼い主が想像するほど、深刻に捉えていないケースも多いでしょう。
預けられたときの反応は犬の性格や経験によって違う
預けられたときの反応は、犬の性格や過去の経験によって大きく異なります。
人懐っこく環境の変化に強い犬もいれば、繊細で新しい場所を苦手とする犬もいるものです。また、小さい頃から人や場所に慣れる経験を積んできたかどうかによっても、反応は変わってきます。
愛犬の性格をよく理解したうえで、預け方や預け先を検討してみてください。
帰宅後によそよそしい・甘えるなどの変化が出ることもある
預けたあと、帰宅した飼い主に対してよそよそしい態度を見せる犬もいます。
一方で、いつも以上に甘えてくる犬も少なくありません。
こうした変化は、犬なりに環境の変化を消化しようとしているサインだと考えられます。一時的な様子であれば、過度に心配せず、普段通り接してあげるとよいでしょう。
犬を預ける罪悪感をなくすために飼い主ができること
ここからは、犬を預ける罪悪感を少しでも軽くするために、飼い主ができる工夫を取り上げていきます。
「預ける=かわいそう」という思い込みをいったん見直す
まず見直したいのが、「預ける=かわいそう」という思い込みです。
このイメージが強いままだと、必要な場面でも預けることをためらってしまいかねません。
実際には、預け先で楽しく過ごしたり、新しい刺激を受けたりする犬も多くいます。思い込みを一度手放して、フラットな視点で捉え直してみてください。
犬にとって安全で快適かどうかを基準に考える
判断の基準にしたいのが、「犬にとって安全で快適かどうか」という視点です。
預け先の環境や対応が整っているかどうかを基準にすることで、罪悪感よりも安心感を優先しやすくなります。
例えば、清潔な設備や適切な運動量の確保、スタッフの対応などをチェックポイントにするとよいでしょう。安全性や快適さが確認できれば、預けるという選択にも自信を持ちやすくなります。
信頼できる預け先を選び「大丈夫」と思える材料を増やす
信頼できる預け先を選ぶことも、罪悪感を減らすうえで欠かせません。
口コミやスタッフの対応、施設の清潔さなどを事前に確認しておくと、安心材料が増えていきます。
また、実際に見学や体験預かりを利用してみることで、「ここなら大丈夫」と思える根拠を持てるようになるでしょう。安心材料を積み重ねていくことが、罪悪感を軽くする近道です。
写真や連絡をもらえる環境なら預けている間の不安も減らせる
預けている間の様子を、写真や連絡で共有してもらえる環境であれば不安も大きく減らせます。
最近では、SNSやアプリを使って預かり中の様子を随時報告してくれる施設も増えてきました。
愛犬の元気な姿を確認できるだけで、飼い主の気持ちもぐっと楽になるものです。預け先を選ぶ際は、こうした報告体制についても確認してみてください。
自分だけ楽しむことに罪悪感を持ちすぎない
旅行や外出を楽しむこと自体に、罪悪感を持ちすぎる必要はありません。
飼い主がリフレッシュすることは、結果的に愛犬との時間をより豊かにすることにもつながります。
罪悪感を抱えたまま無理をするよりも、預ける選択をしたうえで思い切り楽しむほうが、心にも余裕が生まれるでしょう。「自分も楽しんでいい」と、まずは自分自身に許可を出してみてください!
愛犬のストレスを減らすために預ける前に準備しておきたいこと
犬のストレスをできるだけ抑えるためには、預ける前の準備も重要なポイントです。ここでは、事前に取り組んでおきたい準備を取り上げていきます。
いきなり長時間ではなく短時間のお試し預かりから始める
初めて預ける場合は、いきなり長時間ではなく短時間のお試し預かりから始めてみてください。
数時間程度の預かりを経験させることで、犬も少しずつ環境に慣れていくことができます。
段階的に慣らしていくことで、長時間預ける際の不安も軽減されやすくなるでしょう。焦らず、少しずつステップを踏んでいくことが大切です。
普段から飼い主と離れて過ごす時間にも慣らしておく
普段の生活の中でも、飼い主と離れて過ごす時間を少しずつ作っておいてみてください。
常に一緒にいる状態が続くと、離れること自体への耐性がつきにくくなってしまいます。
留守番の時間を少しずつ延ばしたり、別の部屋で過ごす時間を作ったりすることも、有効な準備の一つです。日常の中に「一人で過ごす経験」を取り入れてみてください。
いつものフード・毛布・おもちゃなどを用意する
預ける際は、いつも使っているフードや毛布、おもちゃなどを持参してみてください。
慣れた匂いのするものがそばにあるだけで、安心感につながりやすくなります。
特にフードは、急に変えるとお腹の調子を崩す犬もいるため、普段と同じものを用意しておくと安心です。持ち物リストを作っておくと、当日も慌てずに済むでしょう。
性格・生活習慣・苦手なこと・健康状態を詳しく伝える
預け先には、愛犬の性格や生活習慣、苦手なこと、健康状態をできるだけ詳しく伝えてみてください。
情報が多いほど、預け先も一頭一頭に合わせた対応をとりやすくなります。
例えば、大きな音が苦手、他の犬が苦手、決まった時間に薬が必要といった情報は、事前共有が欠かせません。伝え漏れがないよう、メモにまとめておくのもおすすめです。
ワクチンやノミ・ダニ対策など預け先の条件を確認しておく
ペットホテルなどに預ける場合は、ワクチン接種やノミ・ダニ対策の条件を事前に確認しておいてみてください。
多くの施設では、混合ワクチンの接種証明などの提出が求められます。
条件を満たしていないと、当日預けられないケースもあるため、早めの確認が欠かせません。持病がある場合は、かかりつけの動物病院にも相談しておくと安心です。
別れ際は必要以上に不安そうな態度を見せない
預ける際の別れ際は、必要以上に不安そうな態度を見せないよう意識してみてください。
飼い主が心配そうにしていると、その空気は犬にも伝わりやすいといわれています。
できるだけ明るく、「行ってくるね」と自然に送り出すことで、犬も落ち着いて過ごしやすくなるでしょう。長々と別れを惜しむよりも、さっと切り替えることがポイントです。
家族・友人・ペットホテル・ペットシッターのどこに預けるのがいい?
預け先にはいくつかの選択肢があり、それぞれに特徴があります。ここでは、代表的な預け先の特徴を取り上げていきます。
家族や親族|普段から慣れている相手なら安心しやすい
家族や親族は、犬にとってすでに慣れている相手であることが多く、安心しやすい預け先です。
普段から交流のある相手であれば、環境の変化によるストレスも比較的抑えられます。
ただし、相手の生活環境や他のペットの有無なども確認したうえで、お願いするようにしてみてください。
友人・知人|犬との相性やお世話の経験を確認する
友人や知人に預ける場合は、犬との相性やお世話の経験を事前に確認しておいてみてください。
犬の扱いに慣れていない相手だと、思わぬトラブルにつながる可能性もあります。
できれば事前に何度か顔を合わせる機会を作り、犬との相性を見極めておくと安心です。
ペットホテル|スタッフ体制や犬の過ごし方を確認して選ぶ
ペットホテルを利用する場合は、スタッフの体制や犬の過ごし方を確認したうえで選んでみてください。
ケージの広さや散歩の有無、他の犬との接触状況などは、施設によって大きく異なります。
見学が可能な施設であれば、事前に足を運んで雰囲気を確かめておくとよいでしょう。
動物病院併設ホテル|持病がある犬やシニア犬では選択肢になる
持病があるシニア犬などの場合は、動物病院併設のホテルも選択肢の一つになります。
万が一体調が急変した際にも、すぐに獣医師の診察を受けられる点は大きな安心材料です。
投薬管理が必要な犬にとっても、医療体制が整った環境は心強い選択肢だといえるでしょう。
ペットシッター|環境の変化が苦手な犬に向いている場合がある
環境の変化を苦手とする犬には、自宅で過ごせるペットシッターの利用も向いている場合があります。
住み慣れた自宅で過ごせるため、移動や新しい場所によるストレスを抑えやすいのが特徴です。
信頼できるシッターかどうかを見極めるために、事前の面談やお試し利用も活用してみてください。
犬の性格や年齢に合わせて預け先を選ぶことが大切
どの預け先が最適かは、犬の性格や年齢によっても変わってきます。
社交的な犬は他の犬とも過ごせるペットホテルが向いている一方で、神経質な犬には自宅でのシッター利用が合うこともあるでしょう。
愛犬の特性をよく観察したうえで、複数の選択肢を比較しながら決めてみてください。
犬を預けた後に様子が変わったら?帰宅後のケアと注意したいサイン
預けたあとの犬の様子には、個体差が大きく表れます。ここでは、帰宅後に気をつけたいポイントを取り上げていきます。
帰宅後はできるだけ普段通りの生活に戻す
帰宅後は、できるだけ普段通りの生活リズムに戻してあげてみてください。
急に特別扱いをしたり、逆に構いすぎたりすると、犬が状況をつかみにくくなってしまいます。
食事や散歩の時間をいつも通りに保つことで、犬も安心して日常に戻りやすくなるでしょう。
甘える・よく眠るなど一時的な変化なら様子を見る
帰宅後に甘えが強くなったり、よく眠るようになったりする変化は、一時的なものであれば様子を見て問題ありません。
慣れない環境で過ごした疲れが出ている可能性が考えられます。
数日のうちに落ち着いてくるようであれば、過度に心配する必要はないでしょう。
食欲不振や下痢などストレスによる体調変化に注意する
一方で、食欲不振や下痢などの症状が見られる場合は、注意が必要です。
環境の変化によるストレスが、体調面に影響を及ぼしていることも考えられます。
水分をしっかり摂れているか、元気の有無などもあわせて観察してみてください。
体調や行動の変化が続く場合は動物病院へ相談する
体調や行動の変化が数日経っても続く場合は、早めに動物病院へ相談してみてください。
自己判断で様子を見続けると、対応が遅れてしまう可能性もあります。
気になる症状があれば、預け先での様子もあわせて獣医師に伝えるようにしましょう!
今回の様子を次に預けるときの預け先選びや準備に活かす
預けたあとの様子は、次回以降の預け先選びや準備を見直すヒントにもなります。
例えば、特定の環境でストレスが強く出たのであれば、別のタイプの預け先を検討する材料になるでしょう。
一度きりの経験で判断せず、少しずつ愛犬に合った預け方を見つけていくことも大切です。
まとめ
ここまで、犬を誰かに預ける際の罪悪感との向き合い方について取り上げてきました。
犬を預けることは、決して愛情不足を意味するものではありません。飼い主自身が休息を取ることも、愛犬との暮らしを長く続けるためには欠かせない要素です。
信頼できる預け先を選び、事前の準備をしっかり整えておくことで、罪悪感よりも安心感を持って預けられるようになっていくでしょう。
そして帰宅後は、愛犬の様子をよく観察しながら、いつも通りの生活に戻してあげてみてください。今回の経験を次に活かしながら、飼い主と愛犬の双方にとって無理のない預け方を見つけていってください!
