「犬のしつけ本がたくさんありすぎて、どれを選べばいいのかわからない……」
そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

書店やネット書店には数えきれないほどのしつけ本が並んでおり、どれが愛犬に合うのか判断に迷ってしまうものです。

この記事では、犬のしつけ本を選ぶときに押さえておきたいポイントや、年齢・悩み別のおすすめの選び方について、詳しくお伝えしていきます。あわせて、しつけ本を読んでも解決しない場合の対処法や、専門家に相談する目安についても取り上げていくので、ぜひ最後まで読んでみてください!

犬のしつけ本が多すぎて選べないときは「年齢・悩み・読みやすさ」で絞ろう

しつけ本選びで迷ってしまう理由は、絞り込みの軸が定まっていないことにあります。ここでは、本を選ぶ際に意識したい3つの軸について、詳しくお伝えしていきます。

愛犬の年齢に合った本を選ぶ

しつけ本を選ぶときは、まず愛犬の年齢に合った内容かどうかを確認してみてください。なぜなら、子犬・成犬・シニア犬では、身につけるべきしつけの内容や接し方が大きく異なるからです。

例えば、子犬向けの本にはトイレトレーニングや甘噛み対策が中心に書かれている一方、成犬向けの本では生活習慣の見直しや信頼関係の築き方が中心になっています。

このように、年齢に合わない本を選んでしまうと内容がずれてしまうため、まずは愛犬の年齢を基準に本を絞り込んでみてください。

しつけ全般を学びたいのか、特定の悩みを解決したいのかを決める

次に、しつけ全般を幅広く学びたいのか、特定の悩みをピンポイントで解決したいのかを決めてみてください。というのも、総合的な入門書と、吠えや噛みなど特定の悩みに特化した本とでは、得られる情報の深さが大きく変わるからです。

総合書は基礎を体系的に学べる一方、特化本はひとつの悩みに対してより具体的な手順を紹介している傾向があります。

そのため、今の自分に必要な情報がどちらのタイプなのか、事前に整理しておくとスムーズです。

写真・漫画・文章など、自分が理解しやすい形式を選ぶ

しつけ本には、写真中心のもの、漫画形式のもの、文章中心のものなど、さまざまな形式があります。自分にとって理解しやすい形式を選ぶことで、内容が頭に入りやすくなるからです。

例えば、動作の細かいニュアンスを知りたい人には写真付きの本が向いており、活字が苦手な人には漫画形式の本が読みやすいでしょう。

内容だけでなく、形式にも注目して選んでみてください。

人気ランキングだけで選ばない

人気ランキングは本選びの参考になりますが、順位だけで選ぶのは避けてみてください。なぜなら、ランキングはあくまで一般的な評価であり、愛犬の性格や悩みに合っているとは限らないからです。

実際、ランキング上位の本でも、対象年齢や犬種が自分の愛犬と合わなければ、思うような効果が得られないこともあります。

ランキングは参考程度にとどめ、内容が愛犬に合っているかどうかを必ず確認してみてください!

初心者が最初の一冊を選ぶときに確認したい5つのポイント

初めてしつけ本を選ぶ場合、どこを見て判断すればいいのか迷う方も多いはずです。ここでは、初心者が最初の一冊を選ぶ際にチェックしたい5つのポイントについて、お伝えしていきます。

基本のしつけと犬との暮らし方を幅広く学べるか

最初の一冊には、基本のしつけと犬との暮らし方を幅広くカバーしている本を選んでみてください。一冊で全体像をつかんでおくと、その後の学びがスムーズになるからです。

トイレ、留守番、お散歩など、日常生活に関わる内容が網羅されている本なら、迷ったときに何度も読み返せます。

まずは基礎を広くおさえられる一冊から始めてみてください。

著者や監修者の経歴が明記されているか

著者や監修者の経歴が明記されている本かどうかも、必ず確認しておきたいポイントです。経歴が分かれば、その情報がどの程度信頼できるものかを判断しやすくなります。

例えば、獣医師やドッグトレーナーなど、専門的な資格や実務経験を持つ人物が監修している本は、内容の裏付けがしっかりしている傾向があります。

著者情報は、本の信頼性を測る大切な手がかりになります。

出版年や改訂年が新しいか

出版年や改訂年が新しい本かどうかも、チェックしておきましょう。しつけに関する考え方は年々アップデートされており、古い情報のままだと現在は推奨されていない方法が紹介されている場合があるからです。

特に体罰や上下関係を強調するような古い理論は、近年見直しが進んでいます。

できるだけ新しい情報をもとにした本を選ぶことをおすすめします。

実践手順が具体的に説明されているか

本を選ぶ際は、実践手順が具体的に説明されているかどうかも確認してみてください。手順が具体的であるほど、実際に真似しやすくなるからです。

「ステップ1」「ステップ2」のように段階を追って説明されている本や、写真付きで動作が示されている本は、初心者でも取り組みやすいでしょう。

抽象的な説明だけの本より、実践的な本を選ぶと失敗しにくくなります。

失敗したときの対処法まで書かれているか

最後に、うまくいかなかったときの対処法まで書かれているかどうかも見ておきましょう。しつけは一度で成功するとは限らず、途中でつまずくことも多いからです。

失敗例やその原因、改善方法まで触れている本であれば、実際につまずいたときにも安心して読み返せます。

対処法まで丁寧に書かれている本を選んでおくと、挫折しにくくなります。

子犬・成犬・問題行動別|愛犬に合うしつけ本の選び方

しつけ本は、愛犬の年齢や抱えている悩みによって、選ぶべき内容が変わってきます。ここでは、子犬・成犬・問題行動別に、それぞれ合う本の選び方についてお伝えしていきます。

子犬には社会化やトイレ、甘噛みを学べる本を選ぶ

子犬期には、社会化やトイレトレーニング、甘噛み対策について書かれた本を選んでみてください。この時期の経験が、その後の性格や行動に大きく影響するからです。

生後間もない時期に人や物、音などに慣れさせる社会化のステップが詳しく書かれている本なら、成長後の問題行動を予防しやすくなります。

子犬を迎えたばかりの方は、まずこの分野をしっかり学べる本から選んでみてください。

成犬には生活習慣や信頼関係を見直せる本を選ぶ

成犬の場合は、生活習慣や飼い主との信頼関係を見直せる本を選んでみてください。成犬になってからのしつけは、新しい行動を教えるというより、これまでの関係性を整え直す作業に近いからです。

散歩の仕方や接し方、コミュニケーションの取り方を見直す内容が書かれた本であれば、成犬からでも改善のヒントが得られます。

「もう手遅れ」とあきらめず、今の生活に合った本を探してみてください。

吠え・噛み・引っ張りなどの悩みには問題別の本を選ぶ

吠える、噛む、引っ張るといった具体的な悩みがある場合は、問題別に書かれた本を選んでみてください。悩みごとに原因や対処法が異なるため、ピンポイントでまとめられている本の方が、実践しやすい情報を得られます。

例えば、吠え癖の本には吠える理由の見分け方や状況別の対処法が、引っ張り癖の本にはリードワークの具体的なコツがまとめられています。

総合書だけでは物足りないと感じたら、問題別の本を組み合わせて活用してみてください。

犬種別の本は性格の傾向を知る補助として活用する

犬種別のしつけ本は、あくまで性格の傾向を知るための補助として活用してみてください。犬種による傾向はあっても、個体差の方が大きく影響することも珍しくないからです。

同じ犬種でも、育った環境や性格によって行動パターンは大きく異なります。

犬種別の本は参考程度にとどめ、目の前の愛犬の様子を優先して観察するようにしてみてください。

シニア犬の行動変化はしつけ以外の原因にも注意する

シニア犬に行動の変化が見られる場合は、しつけ以外の原因にも注意を向けてみてください。加齢による体の痛みや視力・聴力の低下、認知機能の変化が、行動の変化として現れることがあるからです。

急に吠えるようになった、トイレの失敗が増えたといった変化は、しつけの問題ではなく体調面のサインである可能性もあります。

シニア期の急な変化に気づいたら、本で対処する前に、まず健康状態を確認してみてください。

古い考え方に注意!安心して実践できるしつけ本の見分け方

しつけ本の中には、現在では推奨されていない古い理論に基づいた内容が含まれているものもあります。ここでは、安心して実践できる本を見分けるポイントについてお伝えしていきます。

褒めることや成功体験を重視しているか確認する

しつけ本を選ぶときは、褒めることや成功体験を重視した内容かどうかを確認してみてください。犬は成功体験を積み重ねることで、望ましい行動を学習しやすくなるといわれています。

できたことをその場でしっかり褒める、ごほうびを使って行動を強化するといった方法が紹介されている本は、現在主流の考え方に沿っています。

褒める育て方を軸にした本を選ぶと、愛犬との関係も築きやすくなります。

犬の気持ちやボディランゲージを説明している本を選ぶ

犬の気持ちやボディランゲージについて説明している本を選んでみてください。犬のサインを理解できると、問題行動の原因を見極めやすくなるからです。

しっぽの動きや耳の向き、姿勢の変化など、犬が発するサインの意味がまとめられている本なら、日々の様子から気持ちを読み取れるようになります。

行動だけでなく気持ちにも触れている本は、愛犬理解を深める助けになります。

「上下関係」「なめられる」と強調する本は慎重に判断する

「上下関係を作らないとなめられる」といった表現を強調する本は、内容を慎重に判断してみてください。このような考え方は、近年の研究では見直されつつある古い理論に基づいていることが多いからです。

上下関係を意識しすぎたしつけは、犬に強いストレスを与え、かえって問題行動を悪化させるケースも報告されています。

該当する記述がある場合は、他の情報とあわせて総合的に判断するようにしてみてください。

痛みや恐怖を与える方法が紹介されていないか確認する

本の中に、痛みや恐怖を与えるような方法が紹介されていないかも、必ず確認してみてください。痛みや恐怖を使ったしつけは、信頼関係を損ない、攻撃行動につながるリスクもあるからです。

首輪を強く引く、大きな音で驚かせるといった方法が当たり前のように紹介されている本には注意が必要です。

愛犬との信頼関係を守るためにも、こうした方法を推奨していない本を選んでみてください。

どの犬にも必ず効くと断言する本には注意する

「この方法ならどの犬にも必ず効く」と断言している本には、少し注意してみてください。犬にはそれぞれ個性があり、すべての犬に同じ方法が当てはまるとは限らないからです。

犬種や性格、これまでの経験によって、効果的なアプローチは変わってきます。

断定的な表現が多い本よりも、個体差に触れている本の方が、実際の子育てに役立つでしょう。

本によってしつけ方法が違うときは、どれを信じればいい?

複数のしつけ本を読んでいると、本によって方法が異なり、どれを信じればいいのか迷ってしまうこともあります。ここでは、そんなときの考え方についてお伝えしていきます。

本ごとに対象としている犬や悩みが違う

本によって方法が異なるのは、それぞれの本が対象としている犬や悩みが違うからです。想定している年齢や性格、抱えている悩みが違えば、紹介される方法も自然と変わってきます。

子犬向けの本と成犬向けの本とでは、同じ「噛み癖」というテーマでもアプローチが異なるのは、このためです。

どちらが正しいかではなく、愛犬に近い状況を扱っている本を優先してみてください。

愛犬に恐怖や強いストレスを与えない方法を優先する

複数の方法で迷ったときは、恐怖や強いストレスを与えない方法を優先してみてください。ストレスの大きい方法は一時的に効果があっても、長期的には別の問題行動を引き起こすことがあるからです。

実際、恐怖で行動を抑え込んだ場合、根本的な原因が解決されないまま、別の形で不安が表れるケースも見られます。

方法選びに迷ったら、犬にとって負担の少ないものから試してみてください。

一度に複数の方法を試さず、犬の反応を記録する

複数の方法を同時に試すのは避け、一つずつ試しながら犬の反応を記録してみてください。一度に複数の方法を取り入れると、どれが効果的だったのか判断できなくなってしまうからです。

日付や状況、犬の様子をメモしておくと、どの方法が愛犬に合っているのか、後から振り返りやすくなります。

焦らず一つずつ試すことが、結果的に近道になります。

家族でしつけ方や指示の言葉を統一する

家族で暮らしている場合は、しつけ方や指示の言葉を統一してみてください。家族ごとに対応が違うと、犬が混乱してしまい、効果が出にくくなるからです。

例えば「おすわり」を「シット」と呼ぶ人と「すわれ」と呼ぶ人が混在していると、犬はどちらの指示にも十分に反応できなくなります。

使う言葉やルールを家族で事前に決めておくと、しつけがスムーズに進みます。

方法を試して悪化した場合はすぐに中止する

試した方法によって行動が悪化した場合は、すぐにその方法を中止してみてください。悪化が見られるということは、その方法が愛犬に合っていない、もしくは負担になっているサインだからです。

吠えや震え、攻撃的な様子が増えたときは、無理に続けず、別のアプローチに切り替える判断が必要です。

犬の様子をよく観察しながら、合わない方法は早めに見切りをつけてみてください。

しつけ本を読んでも解決しないときの対処法と専門家に相談する目安

本を読んで実践しても、なかなか改善が見られないケースもあります。ここでは、そうしたときの対処法と、専門家に相談する目安についてお伝えしていきます。

本を買い足す前に環境や練習方法を見直す

新しい本を買い足す前に、まずは今の環境や練習方法を見直してみてください。方法自体は正しくても、練習の頻度や環境が合っていないために効果が出ていないケースもあるからです。

練習する場所がうるさすぎる、タイミングがずれているといった小さな要因が、成果に影響していることも珍しくありません。

本を増やす前に、今の取り組み方に改善の余地がないか確認してみてください。

図書館や試し読みを活用して次の一冊を選ぶ

次の一冊を選ぶ際は、図書館や試し読みサービスを活用してみてください。購入前に内容を確認できれば、自分や愛犬に合わない本を選んでしまうリスクを減らせるからです。

図書館なら複数の本を無料で比較でき、電子書籍の試し読み機能を使えば、購入前に文章の相性を確かめられます。

気になる本があれば、まずは中身を確認してから購入を検討してみてください。

ドッグトレーナーへ相談したほうがよいケース

本を読んでも改善が見られない場合は、ドッグトレーナーへの相談も検討してみてください。プロのトレーナーであれば、愛犬の様子を直接見ながら、本だけでは分からない具体的なアドバイスをもらえるからです。

特に、吠えや引っ張りなどの行動が長期間続いている場合や、自己流での対応に限界を感じている場合は、早めに相談することをおすすめします。

一人で抱え込まず、プロの力を借りることも選択肢の一つです。

獣医師へ相談したほうがよい行動の変化

急に行動が変化した場合は、しつけの前に獣医師へ相談することも大切です。行動の変化の裏に、病気やケガなど身体的な問題が隠れている可能性があるからです。

急に攻撃的になった、トイレの失敗が増えたといった変化は、体調不良のサインであることも少なくありません。

気になる変化があれば、まずは健康チェックを優先してみてください。

攻撃や自傷がある場合は本だけで解決しようとしない

攻撃行動や自傷行為が見られる場合は、本だけで解決しようとするのは避けてみてください。このようなケースは原因が複雑であることが多く、誤った対応がかえって状況を悪化させる可能性があるからです。

咬みつきがエスカレートしている、体を傷つけるような行動が見られるといった場合は、独学での対応にリスクが伴います。

このようなときは、早めに獣医師やドッグトレーナーなど専門家に相談することを強くおすすめします。

まとめ

犬のしつけ本を選ぶときは、愛犬の年齢や悩み、読みやすさといった軸で絞り込むことが、失敗しない一冊に出会うための近道です。

初心者の場合は、基礎を幅広く学べて実践手順が具体的な本を選び、古い理論に基づいた内容が含まれていないかも確認しておきましょう。

本によって方法が異なる場合は、愛犬にとって負担の少ない方法を優先しながら、一つずつ試して反応を記録していくことが大切です。

それでも改善が見られないときは、本だけで抱え込まず、ドッグトレーナーや獣医師など専門家の力を借りることも検討してみてください!