「愛犬のために、もっと頑張らないといけないのでは……」そんな不安を抱えながら毎日を過ごしている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
情報を集めるほど何が正解か分からなくなり、SNSに映る理想的な飼い主と自分を比べて落ち込んでしまうこともあります。
この記事では、犬のための「最善」を追いかけすぎてしまう理由と、無理なく続けられる「十分によいお世話」の考え方についてお伝えしていきます!
あわせて、頑張りすぎのサインや専門家に相談する目安についても知ることができます。
犬のための「最善」を追いかけすぎる飼い主が苦しくなる理由
まずは、愛犬のための「最善」を追い求めるうちに、なぜ苦しくなってしまうのかについて、5つの視点からお伝えしていきます。
愛情と責任感が強いほど「もっとできるはず」と考えやすい
愛犬への愛情や責任感が強い飼い主ほど、「もっとできることがあるはずだ」と考えてしまいがちです。
なぜなら、愛情が深いほど犬の幸せへの基準が高くなり、現状に満足しにくくなるからです。
例えば、毎日散歩をしていても「もっと長く歩かせるべきでは」と感じたり、手作りご飯を与えていても栄養面が気になったりするケースがあります。
このように、愛情深い飼い主ほど基準が上がりやすいという特徴を、まずは知っておくことが大切です。
犬に関する情報を集めるほど正解が分からなくなる
今はインターネットやSNSで、犬に関するさまざまな情報を簡単に集められる時代です。
しかし、情報源によって主張の異なる内容も多く、比べるほどにかえって正解が見えなくなってしまいます。
そのため、たくさんの情報に触れるよりも、信頼できる情報源を絞り込むことが大切になってきます。
SNSの理想的な飼い主と自分を比べてしまう
SNSには、愛犬とのおしゃれな暮らしや行き届いたお世話を発信するアカウントがたくさんあります。
そうした投稿を見るたびに、「自分はまだまだ足りていない」と感じてしまう飼い主さんも多いはずです。
ただ、SNSに映るのは暮らしのごく一部であり、見えない苦労や工夫まではなかなか伝わりません。
だからこそ、他人の投稿と自分の日常を単純に比べすぎないようにすることが大切です。
失敗や後悔を避けようとして選択に疲れてしまう
犬のお世話には、フード選びやしつけの方法など、日々多くの選択がともないます。
「失敗したくない」「後悔したくない」という気持ちが強いほど、一つひとつの選択に慎重になりすぎてしまうものです。
その結果、選ぶこと自体に大きなエネルギーを使い、心身ともに疲れてしまう飼い主さんも少なくありません。
犬の幸せを飼い主の努力量で判断してしまう
犬の幸せを、飼い主がどれだけ手間や時間をかけたかという「努力量」で測ってしまうケースがあります。
けれども、犬の幸せは食事や運動、環境など複数の要素で成り立っており、努力の量だけでは測れません。
このように考え方を見直すだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです!
あなたは大丈夫?犬のお世話を頑張りすぎているサイン
ここからは、犬のお世話を頑張りすぎているときに見られやすいサインについてお伝えしていきます。当てはまる項目がないか、ぜひチェックしてみてください。
犬のことを一日中考えて気持ちが休まらない
仕事中や家事の合間にも、常に愛犬のことが頭から離れないという飼い主さんがいます。
四六時中考え続けていると、脳が休まる時間がなくなり、知らないうちに疲労が蓄積していきます。
思い当たる場合は、意識的に犬から離れて考える時間をつくってみてください。
体調が悪い日でも散歩や遊びを減らせない
自分の体調が悪い日でも、「愛犬のために」と無理をして散歩や遊びを続けてしまう人もいます。
無理を重ねると、飼い主自身の健康を損ない、結果的にお世話の質にも影響が及んでしまいます。
つらいときは量を減らしたり、内容を変えたりする選択肢があることも覚えておいてみてください。
新しいフードやしつけ方法を次々に試している
「もっと良い方法があるはず」と、新しいフードやしつけ方法を次々に試し続けている状態も注意が必要です。
変更を重ねすぎると、犬にとってはかえって落ち着かない環境になってしまうこともあります。
新しい方法は、一つずつ試して効果を見極めていく姿勢がおすすめです。
家族やペットサービスに任せることへ罪悪感がある
家族に協力してもらったり、ペットシッターなどのサービスを利用したりすることに、罪悪感を覚える人もいます。
しかし、頼れる先を活用することは、犬と飼い主が長く良い関係を続けるための工夫のひとつです。
任せることは手抜きではなく、暮らしを続けるための大切な選択だと考えてみてください。
犬との暮らしに楽しさより義務感を覚えている
本来楽しいはずの犬との時間が、いつの間にか「こなすべきタスク」に変わっていないでしょうか。
楽しさよりも義務感が上回っている状態が続くと、飼い主・犬の双方にとって負担が大きくなってしまいます。
睡眠・仕事・人間関係に影響が出ている
犬のお世話を優先しすぎるあまり、睡眠時間が削られたり、仕事や人間関係に支障が出たりすることがあります。
このような影響が出ている場合は、すでに頑張りすぎのサインが表面化している状態だといえます。
思い当たる項目が多い方ほど、次の章の内容をぜひ参考にしてみてください!
犬に本当に必要なことと、無理にしなくてもよいこと
続いて、犬にとって本当に必要なことと、無理に頑張らなくてもよいことを整理していきます。
健康を守るために欠かせない食事と医療
犬の健康を守るうえで欠かせないのが、年齢や体格に合った食事と、定期的な健康診断・ワクチン接種です。
これらは命に直結する要素であるため、優先順位を下げずに続けていく必要があります。
犬と周囲の安全を守るために必要なしつけ
無駄吠えや咬みつきなど、犬自身や周囲の安全に関わる行動に対しては、最低限のしつけが必要になってきます。
安全に関わる部分だけは、状況に応じてしっかり向き合っていきましょう!
運動・睡眠・安心できる環境を整える
適度な運動や十分な睡眠、そして安心して過ごせる環境も、犬にとって欠かせない基本です。
これらが満たされていれば、必ずしも特別なことをしなくても、犬は落ち着いて暮らしていけます。
毎日長時間遊び続けなくても犬は不幸にならない
「毎日長時間遊んであげないと可哀想」と感じる飼い主さんもいますが、実際はそうとは限りません。
犬にとって大切なのは遊びの長さよりも、安心できる関わり方や規則正しい生活のほうです。
高価なフードや犬用品が必ずしも最善とは限らない
高価なフードやグッズを与えることが、必ずしも愛犬にとっての最善とは限りません。
大切なのは価格帯ではなく、犬の体質や好みに合っているかどうかという点です。
散歩や食事の時間は毎日同じでなくてもよい
散歩や食事の時間を毎日きっちり同じにしなければと考える飼い主さんもいますが、多少前後しても大きな問題にはなりません。
生活リズムが大まかに整っていれば、細かい時間のずれについては気にしすぎなくても大丈夫です!
愛犬にとっての「十分によい飼育」を判断する基準
ここでは、「十分によいお世話」ができているかどうかを判断するための、具体的な基準についてお伝えしていきます。
食欲・排泄・睡眠が安定しているか確認する
愛犬の食欲や排泄、睡眠のリズムが安定しているかどうかは、健康状態を確認するための基本的な指標です。
これらに大きな乱れがなければ、日々のお世話は十分に機能していると考えられます。
年齢や犬種に合った運動ができているかを見る
年齢や犬種によって、必要な運動量には大きな違いがあります。
そのため、他の犬と比較するのではなく、愛犬の年齢や特性に合った運動量ができているかを見ていくことが重要です。
一人で落ち着いて休める時間があるか確認する
犬にも、飼い主から離れて一人で落ち着いて休める時間が必要です。
四六時中構われ続けることは、かえってストレスの原因になる場合もあります。
問題行動の有無だけで飼育の良し悪しを決めない
無駄吠えやいたずらなどの問題行動があると、「自分の飼育が悪いのでは」と考えてしまいがちです。
しかし、問題行動には犬種の特性や年齢による一時的な要因も関係しており、飼育の良し悪しだけで判断できるものではありません。
犬の様子と飼い主の継続可能性を基準にする
お世話の良し悪しは、犬の様子が安定しているかどうかと、飼い主が無理なく続けられているかどうかの両方で判断していきます。
どちらか一方だけを基準にすると、長期的にはバランスを崩してしまうことがあるからです。
完璧な一日より無理なく続けられる毎日を優先する
「完璧な一日」を目指すよりも、多少の抜け漏れがあっても無理なく続けられる毎日を優先してみてください。
継続できる暮らし方こそが、結果的に犬にとっても飼い主にとっても心地よいものになります!
最善探しをやめて、犬との暮らしを楽にする具体的な方法
最後に、最善を探し続ける状態から抜け出し、犬との暮らしを楽にするための具体的な方法をご紹介していきます。
お世話を「必要・できれば・しなくてよい」に分ける
まずは、日々のお世話を「必要なこと」「できればやりたいこと」「無理にしなくてよいこと」の3つに分けてみてください。
分類することで、何を優先すべきかが明確になり、判断にかかる負担を減らせます。
情報源を信頼できる2〜3個に絞る
情報収集をする際は、獣医師や信頼できる専門サイトなど、参考にする情報源を2〜3個程度に絞ってみてください。
情報源を絞ることで、矛盾する情報に振り回されにくくなります。
新しい方法は一度に一つだけ試す
フードやしつけ方法など新しいことを試す際は、一度に一つだけに絞ることをおすすめします。
複数を同時に試してしまうと、何が効果に影響したのかが分かりにくくなるからです。
検索をやめる期限と判断基準を決める
情報収集に時間をかけすぎないよう、あらかじめ検索をやめる期限や判断基準を決めておくことも効果的です。
たとえば「候補を3つ調べたら決める」といったルールを設けておくと、迷いにくくなります。
家族やペットシッターに具体的な役割を任せる
お世話を一人で抱え込まず、家族やペットシッターに具体的な役割を任せることも大切です。
役割を分担することで、一人あたりの負担が減り、暮らし全体に余裕が生まれます。
犬を構わない時間と飼い主が休む時間を作る
犬を構わない時間と、飼い主自身が休む時間を、意識してスケジュールに組み込んでみてください。
双方に休息の時間があることで、良い距離感を保ちながら暮らしていけます。
他の犬ではなく昨日の愛犬と比べる
他の犬と比較するのではなく、昨日の愛犬の様子と比べることを基準にしてみてください。
そうすることで、小さな変化や成長にも気づきやすくなります!
飼い主だけでは抱えきれないときの相談先と専門家を頼る目安
最後に、飼い主だけで抱え込まずに済むよう、相談先や専門家を頼るべき目安についてお伝えしていきます。
体調や食事の不安は獣医師に相談する
愛犬の体調や食事に関する不安があるときは、自己判断せずに獣医師に相談することが基本です。
専門的な知識にもとづいたアドバイスをもらうことで、不安を早めに解消できます。
吠えや噛みつきなどの悩みは専門家に相談する
無駄吠えや咬みつきなど、しつけに関する悩みが深い場合は、ドッグトレーナーなどの専門家に相談してみてください。
専門家の視点が入ることで、自己流では気づけなかった原因が見えてくることもあります。
相談する専門家を一人に絞った方がよい場合もある
複数の専門家に同時に相談すると、意見の違いに振り回されてしまうことがあります。
そのため、信頼できる専門家を一人に絞って継続的に相談したほうがよい場合もあります。
飼い主の睡眠や日常生活に支障が出たら早めに助けを求める
睡眠不足や心身の不調など、飼い主自身の生活に支障が出ている場合は、早めに周囲へ助けを求めてみてください。
一人で抱え込み続けると、飼い主・犬の双方にとって良くない状態が長引いてしまいます。
ペットホテル・一時預かり・訪問サービスを活用する
ペットホテルや一時預かり、訪問サービスなどを上手に活用することも、選択肢のひとつです。
こうしたサービスは、飼い主に休息が必要なときの心強い味方になってくれます。
犬と飼い主の安全に関わる場合は一人で解決しようとしない
攻撃的な行動など、犬や周囲の安全に関わる深刻な問題については、一人で抱え込まず、必ず専門家に相談するようにしましょう!
早めに専門家の力を借りることが、犬と飼い主双方の安全を守ることにつながります。
まとめ
犬のための「最善」を追い求めすぎると、飼い主自身が疲れてしまい、かえって犬との暮らしを楽しめなくなってしまいます。
大切なのは、無理なく続けられる「十分によいお世話」を意識し、必要なことと無理にしなくてよいことを見極めていくことです。
今の頑張りに疲れを感じている方は、まず情報源を絞ったり、家族や専門家に頼ったりすることから始めてみてください。
少しずつ肩の力を抜きながら、愛犬との毎日を心地よいものにしていってみてください!
