「せっかくトイレを覚えたと思ったのに、また失敗してしまうのはなぜだろう……」
そんなふうに悩んでいる飼い主の方も多いのではないでしょうか。
犬のトイレ失敗が続く原因は、しつけ不足だけでなく、環境の変化や体調の異変など、実にさまざまです。
この記事では、犬がトイレの失敗を繰り返す原因と、その原因ごとの見分け方、そして今日から始められる対策を紹介していきます。
さらに、病気が隠れているケースの見分け方や、掃除・お世話の負担を減らす工夫についてもあわせて紹介していきます。愛犬とのトイレ習慣を、もう一度スムーズに整えていきませんか!
犬がトイレの失敗をまた繰り返すのはなぜ?考えられる主な原因
犬のトイレ失敗が続く背景には、いくつかの典型的な原因があります。ここでは、特に多い7つの原因を取り上げていきます。まずは、当てはまるものがないか確認してみてください!
トイレを覚えたように見えても、まだ完全に定着していない
犬がトイレを覚えたように見えても、実は習慣として完全に定着していないケースがあります。
なぜなら、数回成功しただけでは、「ここが排泄場所だ」という認識が犬の中でまだ固まっていないからです。
例えば、成功が続いた直後に見守りを減らすと、再び違う場所で排泄してしまうことがあります。子犬の場合は特に、覚えたと思っても数週間は油断しないことが大切です。
このように、トイレの定着には一定の期間がかかると考えておくことも大切です。
成長してトイレの広さや位置が合わなくなった
子犬の頃に用意したトイレが、成長に伴って体格に合わなくなっていることもあります。
体が大きくなると、方向転換に必要なスペースが増え、これまでのトレーでは窮屈に感じてしまうからです。
また、成長とともに寝床から離れた静かな場所を好むようになる子もいます。トイレの位置そのものが合わなくなっている可能性も、一度見直してみてください。
引っ越しや留守番などの環境変化でストレスを感じている
引っ越しや家具の配置換え、家族構成の変化などは、犬にとって大きなストレス要因です。
そのため、環境が変わった直後にトイレの失敗が増える犬は少なくありません。
さらに、長時間の留守番が続くことで不安が高まり、粗相につながることもあります。心当たりがある場合は、環境が落ち着くまで根気強く見守ってみてください。
シートやトレーを変えたことでトイレと認識できなくなった
トイレシートやトレーの製品を変更したタイミングで、失敗が増えることもあります。
犬は素材の感触やにおいでトイレを認識している部分が大きく、見た目が同じでも別物と感じてしまうからです。
特に、厚みや表面の質感が大きく変わる製品への切り替えは注意が必要です。可能であれば、以前のシートを一部併用しながら少しずつ移行してみてください。
失敗した場所に排泄物のにおいが残っている
一度失敗した場所は、たとえ見た目がきれいになっていても、においが残っていることがあります。
犬は嗅覚が非常に鋭いため、においが残る場所を「排泄していい場所」だと学習してしまうからです。
そのうえ、市販の洗剤だけでは尿のにおい成分を完全に分解しきれないケースもあります。失敗した場所は、消臭効果のある専用クリーナーで丁寧に掃除してみてください。
マーキングや興奮による排尿をトイレ失敗と捉えている
トイレ失敗のように見えて、実はマーキングや興奮による排尿ということもあります。
マーキングは縄張りを示す本能的な行動で、少量の尿を複数の場所にする点が通常の排泄と異なります。
また、来客時や飼い主さんへの挨拶時に興奮して漏らしてしまう子もいます。この場合は、トイレのしつけとは別のアプローチが必要になることも覚えておいてみてください。
加齢や体調不良によってトイレまで間に合わない
シニア犬になると、足腰の衰えや我慢する力の低下により、トイレまで間に合わないことが増えてきます。
これまでできていたのに急に失敗が増えた場合は、体調の変化が関係している可能性があります。
この点については、後ほど「病気の可能性」の章でくわしく紹介していきます。単なるしつけの問題と決めつけず、体調面にも目を向けてみてください。
失敗の仕方で分かる原因|同じ場所・トイレの横・留守番中など状況別に解説
ここからは、失敗のパターン別に考えられる原因を整理していきます。ご自宅の状況に近いものを探しながら読み進めてみてください!
トイレのすぐ横や端で失敗する場合
トイレのすぐ横や端で失敗する場合、トイレそのものへの拒否ではなく、サイズや位置の微妙なズレが原因になっていることが多いです。
というのも、トレーの端は排泄中に足がはみ出しやすく、体の一部が外に出た状態で用を足してしまうからです。
ひとまわり大きいサイズへの変更や、トレーの向きの調整を試してみてください。
毎回同じ場所で繰り返す場合
毎回同じ場所で繰り返す場合は、その場所をトイレだと学習してしまっているサインです。
においが残っていることに加えて、静かで落ち着ける場所だと犬自身が気に入っている可能性もあります。
いっそのこと、その場所に新しくトイレを設置してしまうというのも一つの方法です。徐々に本来のトイレの位置へ近づけていく方法も検討してみてください。
留守番中だけ失敗する場合
留守番中だけ失敗する場合は、分離不安や我慢の限界が関係していることがあります。
飼い主さんがいない時間は不安から落ち着かなくなり、普段より排泄のタイミングが乱れやすいからです。
留守番用のスペースを見直したり、留守番の長さそのものを調整したりすることも検討してみてください。
夜中や寝ている間に漏らす場合
夜中や寝ている間に漏らす場合、若い犬であれば単なる寝る位置とトイレの距離の問題であることも多いです。
一方で、シニア犬の場合は膀胱の機能低下が関係していることもあります。
頻度が増えてきたと感じたら、年齢を問わず一度動物病院に相談してみてください。
おしっこはできるのに、うんちだけ失敗する場合
おしっこはトイレでできるのに、うんちだけ失敗するというケースも珍しくありません。
排便の姿勢は排尿よりも時間がかかりやすく、トイレが狭いと途中で足場を外してしまうことがあるからです。
また、便意を感じてからトイレに向かうまでの間に合わせが利かない子もいます。トレーの広さや設置場所までの距離を、あらためて見直してみてください。
少量のおしっこを複数の場所でする場合
少量のおしっこをあちこちの場所でする場合は、マーキング行動である可能性が高いです。
マーキングは去勢・避妊をしていないオス犬に多く見られますが、メス犬や去勢後の犬にも見られることがあります。
頭数が多い環境や、他の犬のにおいを感じた後に増える傾向もあります。気になる場合は、獣医師やドッグトレーナーに相談することも視野に入れてみてください。
できていた成犬が突然失敗し始めた場合
これまで問題なくできていた成犬が突然失敗し始めた場合は、しつけの問題ではない可能性を優先して考えてみてください。
環境の変化やストレス、あるいは体の不調が背景にあることが多いからです。
数日様子を見ても改善しない、もしくは他の症状も伴うようであれば、早めに動物病院を受診してみてください。
犬のトイレ失敗を減らすために今日から見直したい環境と接し方
原因が見えてきたら、次は環境と接し方の見直しです。ここでは、今日からすぐに実践できる7つのポイントを紹介していきます!
犬の体格に合った広さのトイレを用意する
まず見直したいのが、トイレの広さです。犬が方向転換しても窮屈さを感じない、体格に合ったサイズを選ぶことが基本になります。
目安として、犬が座った状態から一回転できるくらいの余裕があると安心です。
成長期の子犬であれば、体の大きさに合わせて数回サイズアップすることも想定しておいてみてください。
静かで落ち着いて排泄できる場所に設置する
人の出入りが多い場所や、テレビの近くなど音が気になる場所は、トイレの設置場所として避けたいところです。
犬は排泄中、無防備な姿勢になるため、落ち着ける環境かどうかを本能的に気にしています。
そのため、部屋の隅や仕切りのある空間など、静かに過ごせる場所を選んでみてください。
トイレを清潔に保ち、シートを交換する頻度を見直す
シートが汚れたままだと、犬がトイレを避けてしまう原因になります。
おしっこの回数が多い犬や多頭飼育のご家庭では、想定より早いタイミングでの交換が必要になることもあります。
1日の中で複数回チェックする習慣をつけると、清潔な状態を保ちやすくなります。
失敗した場所のにおいを残さず掃除する
失敗してしまった場所は、見た目だけでなくにおいまでしっかり取り除くことが重要です。
市販の消臭剤だけでは不十分なこともあるため、尿石やにおいの分解に対応したクリーナーを活用してみてください。
掃除後は、犬がその場所のにおいを再確認していないかも観察してみてください。
排泄しやすいタイミングとサインを観察する
起床後や食後、遊んだ直後など、犬にはおしっこやうんちが出やすいタイミングがあります。
そのうえ、床のにおいを嗅ぎ始める、そわそわと歩き回るといった仕草は、排泄前のサインであることが多いです。
こうしたタイミングやサインをつかみ、先回りしてトイレへ誘導することも大切です。
失敗しても叱らず、反応せずに片付ける
失敗してしまったときに叱ると、犬は「排泄そのもの」を怒られたと誤解してしまうことがあります。
その結果、飼い主さんの見ていない場所に隠れて排泄するようになるケースも見られます。
感情的に反応せず、淡々と片付けることを意識してみてください。
成功した直後に分かりやすく褒める
トイレで成功できたときは、その場ですぐに褒めてあげることが効果的です。
時間が経ってから褒めても、犬は何に対して褒められているのか結びつけにくいからです。
声のトーンを明るくしたり、おやつを添えたりして、分かりやすく伝えてみてください!
一度覚えた犬にも有効なトイレトレーニングのやり直し方
一度覚えたはずのトイレでも、状況が悪化している場合はトレーニングをやり直すことが有効です。ここでは、7つのステップに分けて紹介していきます。
まずは失敗する時間・場所・状況を記録する
やり直しの第一歩として、失敗した時間・場所・そのときの状況を記録してみてください。
記録を続けることで、留守番中に多いのか、夜間に多いのかといった傾向が見えてきます。
傾向がつかめると、その後の対策も立てやすくなります。
一時的に行動範囲を狭めて失敗を防ぐ
記録から傾向が見えたら、サークルやケージを使って一時的に行動範囲を狭めてみてください。
行動範囲が狭いほど、トイレとの距離が近くなり、成功しやすい状況を作ることができます。
この段階では、失敗させないことを最優先に考えてみてください。
排泄のタイミングに合わせてトイレへ誘導する
先ほど紹介した排泄前のサインが出たら、すぐにトイレへ誘導してみてください。
誘導のタイミングが早すぎても遅すぎても、成功率は下がりやすくなります。
何度か繰り返すうちに、犬自身がタイミングをつかみやすくなっていきます。
成功した直後におやつや声かけで褒める
誘導してトイレで成功できたら、すぐにおやつや声かけで褒めてあげてください。
この「すぐに褒める」という部分は、やり直しの段階では特に重要なポイントです。
成功体験を積み重ねることが、トイレへの信頼につながっていきます。
成功率が上がったら行動範囲を少しずつ広げる
成功が続くようになってきたら、行動範囲を少しずつ広げていきます。
一気に自由にするのではなく、数日単位で範囲を広げることが失敗を防ぐコツです。
広げた直後に失敗が増えた場合は、一度範囲を戻して様子を見てみてください。
トイレの場所を変える場合は段階的に移動させる
トイレの位置そのものを変えたい場合は、一気に移動させず、少しずつ動かしていくことをおすすめします。
1日に数十センチ程度ずつ動かすことで、犬も違和感なくついてきやすくなります。
急な移動は失敗の原因になりやすいため、焦らず進めてみてください。
改善しないときは環境や方法をもう一度見直す
ここまでの方法を試しても改善しない場合は、原因の見立てそのものを見直す必要があります。
というのも、しつけの問題だと思っていたことが、実は体調やストレスに起因している可能性もあるからです。
次の章で紹介する病気のサインにも当てはまらないか、あわせて確認してみてください。
急なトイレ失敗は病気の可能性も|動物病院を受診すべきサイン
ここまで紹介してきたしつけや環境の見直しを行っても改善しない場合、病気が隠れている可能性があります。以下のようなサインが見られたら、早めに動物病院を受診してみてください!
何度も排尿姿勢を取るのに少量しか出ない
何度もトイレに行く姿勢を見せるのに、実際にはほとんど出ていない場合は注意が必要です。
膀胱炎や尿路結石など、泌尿器のトラブルが背景にあることがあるからです。
自己判断で様子を見続けず、早めに獣医師に相談してみてください。
血尿や排尿時の痛みが見られる
尿の色がいつもと違う、排尿時に鳴くなど痛みを訴える様子がある場合も要注意です。
血尿は目に見えないほどわずかなこともあるため、気になる場合はペットシートごと持参して受診してみてください。
早期発見が、その後の負担を減らすことにつながります。
水を飲む量やおしっこの量が急に増えた
飲水量やおしっこの量が急に増えた場合、内臓の不調が関係していることがあります。
普段の量を把握しておくと、変化に気づきやすくなります。
1日の飲水量やトイレの回数をメモしておき、受診時に伝えられるようにしておいてみてください。
寝ている間や歩いている途中に尿が漏れる
本人に排泄の意思がないまま尿が漏れてしまう場合は、我慢のしつけとは別の問題である可能性が高いです。
特にシニア犬や避妊手術後のメス犬に見られることがあるため、年齢や体質もあわせて獣医師に伝えてみてください。
元気や食欲の低下など、ほかの体調変化もある
トイレの失敗に加えて、元気がない、食欲が落ちているといった変化がある場合は、体調不良のサインかもしれません。
複数の症状が重なっているときほど、早めの受診を優先してみてください。
シニア犬で認知機能や足腰の衰えが疑われる
高齢になると、認知機能の低下や足腰の衰えによって、トイレまで間に合わなくなることがあります。
夜鳴きや昼夜逆転など、ほかの様子の変化も伴う場合は、加齢によるものか一度診てもらうと安心です。
年齢のせいだと決めつけず、まずは相談してみてください。
受診前に記録しておきたい排尿回数・量・失敗状況
動物病院を受診する際は、直近の排尿回数やおおよその量、失敗した場所や時間帯を記録しておくと診察がスムーズです。
スマートフォンのメモや写真を活用すると、伝え漏れを防ぎやすくなります。
これらの情報は、原因の特定に役立つ大切な手がかりです。
トイレ失敗が続いてつらいときに|掃除と飼い主の負担を減らす工夫
最後に、トイレ失敗が続く毎日を少しでも楽にするための工夫を紹介していきます。原因への対策と並行して、ぜひ取り入れてみてください。
防水マットや洗える敷物で掃除を簡単にする
床に防水マットや洗える敷物を敷いておくと、失敗したときの掃除の手間を大きく減らせます。
さっと拭き取れる、あるいは洗濯機で丸洗いできる素材を選んでおくと安心です。
失敗しやすいエリアには、あらかじめ敷いておいてみてください。
失敗しやすい場所にトイレやシートを一時的に増やす
繰り返し失敗する場所には、思い切ってトイレやシートを一時的に増やしてみるのも一つの方法です。
数を増やすことで、成功率そのものを底上げすることができます。
状況が落ち着いてきたら、少しずつ数を減らしていってみてください。
留守番中は失敗しにくいスペースを作る
留守番中の失敗が多い場合は、行動範囲を制限したスペースの中にトイレを複数配置してみてください。
選択肢が増えることで、我慢のしすぎによる失敗を防ぎやすくなります。
シニア犬には段差のないトイレや近い場所を用意する
シニア犬の場合、トレーの縁の段差がわずかでも負担になることがあります。
段差の低いトイレへの切り替えや、寝床からトイレまでの距離を短くする工夫も検討してみてください。
足腰への負担を減らすことが、失敗そのものの減少につながります。
成功率で考え、毎日の失敗だけに注目しない
失敗が続くと、どうしてもその日ごとの失敗回数にばかり目が向いてしまいます。
しかし、1週間や1か月単位で見ると、成功率が少しずつ上がっていることも少なくありません。
短期的な結果だけで判断せず、長い目で成功率を捉えてみてください。
イライラしたときは無理に対応せず犬から少し離れる
掃除が続くとイライラしてしまうのは、決して珍しいことではありません。
そんなときは無理に犬と向き合おうとせず、一度その場を離れて気持ちを落ち着けてみてください。
飼い主さん自身の心の余裕も、トイレトレーニングを続けるうえで大切な要素です。
改善が難しい場合は獣医師やドッグトレーナーへ相談する
さまざまな工夫を試しても改善が見られない場合は、一人で抱え込まず専門家に相談することも大切です。
獣医師であれば体調面から、ドッグトレーナーであれば行動面から、それぞれの視点でアドバイスをもらうことができます。
専門家の力を借りることも、選択肢の一つとして考えてみてください。
まとめ
犬のトイレ失敗が繰り返される背景には、しつけの定着不足や環境の変化、そして病気の可能性まで、さまざまな原因が隠れています。
まずは失敗のパターンを記録し、環境や接し方を見直したうえで、改善しない場合は動物病院への相談も検討してみてください。
完璧を求めすぎず、成功率を少しずつ積み上げていく気持ちで、愛犬とのトイレ習慣を整えていってみてください!
